簡単に絵が上達する方法 - 美術研究 98-01
デッサン力を高めるためには、『観る』ことが重要となります。ここで言う、『観る』は、よく観察し構造を理解することを指しています。
『 見る < 観る 』
ここで、一つ実験をしてみましょう。
キリンを思い出して具体的に絵を描いてみて下さい。
さて、どれだけ、具体的に描けたでしょうか?
殆どの人が、描けなかったのではないでしようか?
ある時、子供に「キリンさんを描いて!」と言われて、戸惑ったことがあります。
全体を省略してマンガのようには描けましたが、具体的にキリンの模様や顔等が、思い出せないのです。
思い出せないと言うよりは、知らないと言った方が正しいかも知れません。
つまり、じっくりと観察したことがなかったのです。
具体的に描けないのも当然ですね。
あらゆるモノに興味を持ち、『観る』ことを大切にしたならば、発想力を具体化することも容易になります。新しい視点から、身の回りに気を配ってみてはいかがでしょうか?
*デッサン=素描
実験結果 98-02
下記の絵(図A)は、5分以内でキリンを想像して描いて頂いたものです。
馬のイメージが加わっている他、骨格の意識が欠如してしまった為に、このようなキリンが形成されました。
しかし、絵は形態が全てではありません。むしろ、作者の気持ちが第三者に伝わることが重要です。このキリンは、非常に楽しそうですし、作者の優しい人柄が伺えます。
図A-想像
図B-観察
上記の絵(図B)は、5分以内で実際のキリンを観察しながら描いて頂いたものです。骨格が意識され、明らかに線に自信が感じられます。
このように、対象物を観て理解することは、描くこと以上にデッサン力を高めます。
公式にあてはめると[ 観る≧描く ]といったところでしょうか?
今回は、実験主旨を説明せず、異なった2つの条件の基に、絵を描いて頂きました。いずれも、同一人物が描いたものです。尚、消しゴムは使用禁止としました。
あなたは、どちらの絵が好きですか?